コラム

共有持分の査定額が低い?相場の確認方法と納得できないときの対応

共有持分の査定を受けたものの、想定より低い金額を提示されると、「これが相場なのか」「安く査定されているのではないか」と判断に迷うことがあります。

共有持分の査定額は、提示された金額だけを見ても妥当性を判断できません。不動産全体をいくらと評価しているのか、自分の持分割合が正しく反映されているか、持分相当額からどのような理由で価格が下がっているのかを順番に確認する必要があります。

この記事では、共有持分の査定相場、自分で査定額の目安を計算する方法、査定書で確認するポイント、提示された金額に納得できない場合の確認・交渉手順を解説します。

 

この記事でわかること

  • 共有持分の査定相場
  • 査定額の目安を計算する方法
  • 仲介と買取の査定額の違い
  • 査定書で確認する3つのポイント
  • 査定額に納得できない場合の対応方法

共有持分の査定相場

共有持分の査定相場を、仲介と買取の違いで比較するイメージイラスト

共有持分の査定額は、仲介で第三者へ売却する場合と、買取業者へ直接売却する場合で相場が異なります。

仲介で第三者へ共有持分のみを売却する場合は、持分相当額の50〜80%程度が目安です。買主候補や共有者との関係、物件状況などによって、実際の売却価格には差が生じます。

一方、買取業者へ直接売却する場合は、持分相当額の30〜50%程度が目安です。

このように、共有持分の査定額を確認するには、不動産全体の市場価格から持分相当額を算出し、売却方法に応じた割合を当てはめて考えます。

 

共有持分の査定額の目安を計算する方法

共有持分の査定額の目安を計算するイメージイラスト

提示された査定額が妥当か確認するには、まず不動産全体の市場価格を調べ、自分の持分相当額を計算します。

そのうえで、仲介または買取の相場を当てはめると、自分の共有持分がどの程度の価格になりそうか概算できます。

2-1. 不動産全体の市場価格を調べる

最初に、不動産全体を通常売却した場合の市場価格を調べます。

市場価格を確認する方法の一つが、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」です。不動産情報ライブラリでは、近隣や類似条件の実際の取引価格や成約価格を確認できます。

対象となる不動産と立地や面積、築年数などが近い事例を確認し、不動産全体がおおよそいくらで取引されているのかを調べましょう。

ただし、不動産の価格は面積や形状、接道条件、取引事情などによって変わります。近隣で取引された1件だけをそのまま対象物件に当てはめるのではなく、複数の類似事例を比較して価格帯を把握しましょう。

2-2. 持分割合から査定額の目安を計算する

不動産全体の市場価格を確認したら、登記事項証明書で自分の持分割合を確認し、その割合を市場価格に掛けて持分相当額を計算します。

不動産全体の市場価格 × 持分割合 = 持分相当額

算出した持分相当額に、仲介・買取それぞれの目安となる割合を掛けると、査定額の目安を計算できます。

先述の通り、仲介で第三者へ売却する場合は持分相当額の50〜80%程度、買取業者へ直接売却する場合は30〜50%程度が目安です。

仲介の場合

不動産全体の市場価格 × 持分割合 × 50〜80%

買取の場合

不動産全体の市場価格 × 持分割合 × 30〜50%

2-3. 3,000万円の不動産で査定額をシミュレーション

ここまで解説した方法を使って、不動産全体の市場価格が3,000万円、所有する持分が3分の1の場合の査定額を計算してみましょう。

まず、不動産全体の市場価格に持分割合を掛けて、持分相当額を算出します。

3,000万円 × 3分の1 = 1,000万円

次に、この1,000万円に仲介・買取それぞれの目安となる割合を掛けます。

売却方法 計算 査定額の目安
仲介 1,000万円 × 50〜80% 500万〜800万円程度
買取 1,000万円 × 30〜50% 300万〜500万円程度

 

 

このケースでは、仲介で第三者へ売却する場合は500万〜800万円程度、買取業者へ直接売却する場合は300万〜500万円程度が査定額の目安になります。

実際の査定額や売却価格は、物件条件や共有状況などによって変わるため、この計算結果は提示された査定額が相場から大きく外れていないか確認する際の参考にしましょう。

共有持分の査定の流れと期間

共有持分の査定依頼から査定額提示までの流れを表すイメージイラスト

共有持分の査定では、不動産そのものの情報だけでなく、持分割合や共有状況、権利関係なども確認します。

査定を依頼してから査定額が提示されるまでの、基本的な流れを見ていきましょう。

3-1. 査定依頼から査定額提示までの流れ

共有持分の査定は、おおむね次の流れで進みます。

① 査定依頼:物件情報や共有状況を伝える

② 物件・権利関係の確認:登記情報、持分割合、共有状況などを確認する

③ 市場価格などの調査:周辺の取引事例や物件条件などを確認する

④ 必要に応じて現地確認:土地・建物の状態などを確認する

⑤ 査定額の提示:仲介では売却見込み額、買取では買取価格が提示される

査定では、登記事項証明書や登記識別情報、固定資産税評価証明書などをもとに、持分割合や権利関係、共有状況を確認します。共有持分の場合は、不動産全体の市場価格だけでなく、共有者との関係や権利関係なども査定額に影響する要素です。

 

3-2. 査定結果は早ければ当日〜数営業日

共有持分の査定結果は、早ければ当日〜数営業日程度で出ます。

物件情報や登記内容を確認しやすい場合は比較的早く査定できますが、権利関係や共有状況、物件の状態などの確認に時間がかかると、査定期間も長くなります。

査定を依頼する際は、結果が出るまでの期間も確認しておくと、その後の売却スケジュールを立てやすくなります。

3-3. 概算だけならAI査定も選択肢

まだ具体的に売却を進める段階ではなく、「まず大体いくらになりそうか知りたい」という場合は、AI査定や自動査定を利用する方法もあります。

AI査定・自動査定は、住所や物件種別、面積、築年数などの情報を入力すると、その場で概算価格を確認できる仕組みです。正式な査定を依頼する前に、おおよその価格を把握したい場合に向いています。

ただし、AI査定は入力された限られた情報をもとに価格を算出するため、物件の細かな状態や権利関係などは反映できません。また、共有持分であることを考慮したAI査定サービスはほとんどなく、基本的には不動産全体の価格が算出されます。

共有持分の価格を確認したい場合は、AI査定で算出された不動産全体の概算価格に持分割合を掛けて持分相当額を計算し、仲介なら50〜80%程度、買取なら30〜50%程度を当てはめます。

具体的な売却価格を確認する段階では、共有状況や権利関係なども含めた個別査定を受けましょう。

共有持分の査定書で確認する3つのポイント

共有持分の査定書で確認したいポイントをチェックするイメージイラスト

共有持分の査定書を受け取ったら、提示された査定額だけでなく、その金額がどのように算出されたのかを確認します。

確認したいのは、「不動産全体の評価額」「持分相当額から減額された理由」「査定に使われた情報」の3点です。

4-1. 不動産全体の評価額

最初に、不動産全体をいくらと評価しているか確認します。

共有持分の査定では、不動産全体の評価額をもとに持分相当額を算出し、共有持分特有の事情を反映して査定額を出します。そのため、不動産全体の評価額が低ければ、共有持分の査定額にも影響します。

査定に使われた取引事例や成約事例を確認し、対象物件と立地、築年数、面積などの条件がどの程度近いかを見てみましょう。

あわせて、不動産情報ライブラリで近隣や類似条件の取引価格と照らし合わせ、不動産全体の評価額が市場価格から大きくずれていないかを見てみましょう。

4-2. 持分相当額から減額された理由

次に、持分割合が正しく反映されているか確認し、不動産全体の評価額から持分相当額を計算します。

共有持分は、取得後に他の共有者との調整が必要になる場合があるため、持分相当額より低い金額で査定されるのが一般的です。特に、共有者との関係や占有状況、抵当権などの権利関係は、取得後の対応にかかる負担やリスクに影響し、減額理由になりやすい要素です。

査定書を見る際は、単に「共有持分だから減額されている」と捉えるのではなく、自分の物件ではどの事情が価格に影響し、持分相当額からどの程度差し引かれているのかを確認しましょう。

減額幅が大きい場合は、その理由まで業者に確認し、提示された金額に根拠があるかを確かめましょう。

 

4-3. 査定に使われた情報に誤りや抜けがないか

査定に使われた物件情報や共有状況が、実際の状況と一致しているかも確認が必要です。誤った情報や古い情報が反映されていると、査定額にもずれが生じるためです。

特に、持分割合、共有者の状況、占有状況、登記・権利関係、建物の状態など、価格に影響する項目が正しく反映されているかを確認しましょう。

また、査定時点で確認できていない項目がある場合は、その内容も把握しておく必要があります。査定後の調査で建物の不具合や権利関係などが新たに判明すると、契約前の提示価格が見直される場合があるためです。

査定額に納得できないときの確認・交渉手順

共有持分の査定額に納得できないときに、内容を確認しながら相談するイメージイラスト

査定額が想定より低くても、その金額をそのまま受け入れる必要はありません。査定の根拠に疑問がある場合は、業者に理由を確認し、必要に応じて再査定を依頼できます。

5-1. 査定額が低くなった理由を確認する

査定額が想定より低い場合は、不動産全体の評価額が低く設定されているケースと、持分相当額からの減額が大きいケースに分けて考えます。

不動産全体の評価額が低い場合は、査定に使われた取引事例や成約事例を見ます。不動産情報ライブラリで調べた近隣・類似物件の取引価格と大きな差があれば、対象物件をその金額で評価した根拠を業者に聞きましょう。

一方、不動産全体の評価額には大きな差がないものの、持分相当額から大幅に減額されている場合は、共有状況や権利関係など、どの事情が価格に反映されたのかを聞きます。

どこで金額が下がっているのかを切り分ければ、査定額が低くなった原因が明確になります。

 

5-2. 査定根拠に疑問があれば再査定を依頼する

査定額が低くなった理由を確認し、その根拠が実際の状況と合っていない場合は、再査定を依頼します。

不動産全体の評価額が低く設定されている場合は、近隣や類似条件の取引事例を示し、評価額の見直しを求めます。持分相当額からの減額が大きい場合は、減額理由として挙げられた共有状況や権利関係などが実態と異なっていないかを伝えましょう。

このとき、「40%を50%にしてほしい」と金額だけを交渉するのではなく、どの査定根拠が実際の状況と違うのかを具体的に示すことが重要です。

再査定後は、指摘した内容がどのように反映されたかを確認します。不動産全体の評価額について再評価を求めた場合は評価額や参考にした取引事例、共有状況などの認識に誤りがあった場合は修正内容を見ます。

金額が変わった場合も、増減した金額だけを見るのではなく、何を見直した結果なのかまで確認しておきましょう。

 

まとめ:査定額の根拠まで確認して売却を判断しよう

共有持分の査定額の根拠を確認して売却を判断するイメージイラスト

 

この記事のまとめ

  • 共有持分の査定相場は、仲介なら持分相当額の50〜80%程度、買取なら30〜50%程度が目安。
  • 査定額の目安は、不動産全体の市場価格から持分相当額を算出し、仲介・買取それぞれの割合を掛けて求める。
  • 査定書では、不動産全体の評価額、減額理由、査定に使われた情報の3点を確認する。
  • 査定額が低い場合は、全体の評価額が低いのか、持分相当額からの減額幅が大きいのかを切り分けて考える。
  • 査定根拠が実際の状況と異なる場合は、取引事例や正しい物件情報を示して再査定を依頼できる。

共有持分の査定では、提示された金額だけで判断せず、不動産全体の評価額、持分割合、減額された理由、査定に使われた情報まで確認することが重要です。

共有持分専門買取業者のラクウルでは、共有持分の査定や売却について無料で相談できます。査定額が適正か分からない場合や、現在の条件で売却を進めてよいか迷っている場合は、まずは一度ご相談ください。


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監修者

ラクウルスタッフ

ラクウルスタッフ

共有持分を専門に扱ってきた経験豊富なスタッフ達が運営しています。
お持ちの物件の売却にお悩みの方へ向けて、さまざまな情報を発信します。

この記事のまとめQ&A

共有持分の査定相場はいくらですか?

共有持分の査定相場は、仲介で第三者へ売却する場合は持分相当額の50〜80%程度、買取業者へ直接売却する場合は30〜50%程度が目安です。実際の価格は、買主候補や共有者との関係、物件状況などによって異なります。

共有持分の査定額の目安はどのように計算できますか?

まず不動産全体の市場価格に自分の持分割合を掛けて持分相当額を計算します。そのうえで、仲介の場合は持分相当額の50〜80%程度、買取の場合は30〜50%程度を当てはめることで、査定額の目安を算出できます。

共有持分の査定結果はどのくらいで出ますか?

共有持分の査定結果は、早ければ当日〜数営業日程度で出ます。ただし、権利関係や共有状況、物件の状態などの確認に時間がかかる場合は、査定期間が長くなることがあります。

共有持分の査定書では何を確認すればよいですか?

査定書では、不動産全体の評価額、持分相当額から減額された理由、査定に使われた情報の3点を確認します。持分割合や共有者の状況、占有状況、登記・権利関係、建物の状態などが正しく反映されているかも確認しましょう。

共有持分の査定額が低くて納得できない場合はどうすればよいですか?

まず、不動産全体の評価額が低いのか、持分相当額からの減額が大きいのかを確認します。査定根拠が実際の状況と合っていない場合は、近隣や類似条件の取引事例、正しい物件情報などを示して再査定を依頼できます。金額だけを交渉するのではなく、どの査定根拠が実際の状況と異なるのかを具体的に示すことが重要です。

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