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共有不動産の名義について、「自分の共有持分だけ売却したらどうなるのか」と考えたことがある方は少なくないと思います。特に、兄弟がその家に住み続けていて話し合いが進まない場合、「内緒で売ってしまえないか」「売った後にどんな影響が出るのか」が気になるところでしょう。
結論からお伝えすると、共有持分は、あなた一人の判断で第三者へ売却できます。
ただ、この事実だけでは不安が残りやすく、「契約は本当に有効なのか」「売却後に兄弟との関係はどうなるのか」といった疑問が次々に浮かんできます。
本記事では、共有持分を売却すると実際どうなるのかという点について、法律上の扱いから売却後の関係、お金の話まで順を追って解説します。
まずは、”今の状態から一歩動いたらどうなるのか”を掴み、トラブルを回避しつつ共有持分を手放す方法を一緒に見つけましょう。
この記事でわかること
- 共有持分は自分だけの判断で売却できるかどうか
- 共有持分を勝手に売った場合の契約の扱い
- 売却後、家に住み続ける兄弟との関係や家賃の扱い
- 共有持分の売却相場の考え方
- 売却した場合の税金や放棄との違い
目次
共有持分は自分だけの判断で売却できる。契約の扱いと売却後の関係を押さえておこう

まず最初に知っておきたいのは、「共有持分を自分だけの判断で売ることは、法律上認められている」ということです。
1.1 共有持分は単独で売却できる
共有持分は、法律上、それぞれの共有者が自分の持分を所有しているものとして扱われます。そのため、あなたの持分については、他の共有者の同意がなくても、第三者へ売却することが可能です(民法206条)。
「共有不動産の売却には、共有者全員の同意が必要」という説明を耳にすることがありますが、これは不動産”全体”を売る場合の話です。持分だけを売る場合はこれとは別で、あなた単独の判断で契約を結べます。
つまり、「法律的に売れるのか」という点については、基本的には安心していただいて大丈夫ということです。
1.2 勝手に売っても無効にならない?損害賠償の心配は?
次に気になるのが、「あとから契約無効と言われないか」「損害賠償を求められるのではないか」という点でしょう。
上記でも触れた通り、あなたの共有持分だけを対象とした売買契約であれば、法律上は有効に成立するというのが通常の考え方です。自分の持分の範囲で財産を処分しているため、「同意がないから無効」といった主張が、そのまま認められるケースは一般的ではありません。
また、損害賠償についても、適法な持分売却で直ちに責任を問われる場面は多くなく、法律面で見る限り、過度に不安を抱く必要はありません。
一方で、法的な問題とは別に、「事前に相談がなかった」と感じた共有者が心情的に不満を抱くことはあり得ます。実際のトラブルは、こうした感情面で起こりやすいと言えるでしょう。
つまり、共有持分を売却した際の契約が無効になるという心配は基本的には不要で、人間関係の影響には注意が必要ということになります。
1.3 共有持分を売った後はどうなるか:住み続ける兄弟と新しい共有者、家賃の扱い
では、あなたが持分を売却したあと、家に住み続けている兄弟はどうなるのでしょうか。
あなたが共有持分を手放した後も、兄弟は引き続き「共有者」という立場のままです。共有不動産の場合、共有者であれば家全体を使う権利があり、持分を売却したからと言って、すぐに退去を求められるケースは一般的ではありません(民法249条)。
一方で、あなたの代わりに新しい共有者(たとえば買取業者など)が加わります。それ以降は、
- 家に住んでいる兄弟
- 新しい共有者
この二者間で、家の利用や今後の方針について話し合う形になります。他にも共有者がいる場合は、その共有者も含めた「共有者間」で調整します。
新しい共有者には「無償で住まわせ続ける義務」までは当然にはありませんので、居住者の利用状況によっては、家賃に相当する使用料の支払いが問題になるケースがあります。また、話し合いが進まないと、共有物分割請求といって、裁判所を通じた分割(競売による換価など)や、持分の取得を含む解決に進むこともあります(民法256条、258条)。
共有持分売却前後の大きな違いは、あなたが上記のような交渉の当事者ではなくなる、という点です。共有関係から離れられたことで、精神的な負担が軽くなったと感じる方も少なくありません。
共有持分の売却相場:いくらくらいで売れるのか?

法的に問題なく売れるのであれば、実際にいくらくらいになるのかが気になるところですよね。共有持分の売却は、一般の不動産売却と同じ感覚では考えにくく、どうしても価格は下がりやすい傾向があります。
ここでは相場の考え方と、なぜ安くなりやすいのかという背景を見ていきます。
2.1 共有持分の価格は通常の不動産価格からいくら下がるのか
共有持分の価格を考えるとき、まず基準となるのは
です。
たとえば、物件全体の評価額が3,000万円で、あなたの持分割合が3分の1なら、持分の基準額は1,000万円ということです。
ただし、共有持分は「不動産の一部の権利だけ」売る形になるため、買い手にとっては扱いづらい資産です。そのため、この基準額通りの価格で売れることは多くありません。
実際は、おおよそ以下の水準が一つの目安になります。
「不動産全体の評価額 × 持分割合」の50~70%
買取業者へ売る場合
「不動産全体の評価額 × 持分割合」の30~50%
もちろん、物件の立地・築年数・共有者との関係性・居住者の有無などにより上下しますが、「基準額から一定割合割り引かれる」というイメージを持っておきましょう。
2.2 共有持分の価格が下がる理由:特有のリスクと制約
上記でも触れた通り、共有持分の価格が下がりやすいのは、「権利として扱いにくい」という事情があるためです。
買い手にとっては、
- 単独で自由に使えない
- 賃貸運用もしづらい
- 将来、他の共有者との交渉が前提になる
といった不確実性が伴います。さらに価格へ影響する要素として、
- 他の共有者の人数や関係性
- 実際に居住者がいるか
- 固定資産税や修繕費などの負担状況
- 将来的な共有状態解消の難易度
といった点が、総合的に見られます。
上記のようなリスクを見込むため、実務上は持分割合の基準額よりも査定額が低く出るケースが多くなります。
ただし、共有持分だからといって、一律で極端に安くなるわけではありません。物件の状態や共有状態によって評価は変わりますので、まずは自分のケースでどの程度の水準になるのかを知るのが第一歩です。
共有持分を売却した場合の税金と「放棄」との違い

共有持分の売却を考え始めたとき、多くの方が気にされるのが「税金がどれくらいかかるのか」「売らずに放棄したほうが楽なのではないか」という点です。
ここでは、売却した場合の税金の仕組みと、放棄との違いを押さえておきます。
3.1 共有持分を売ったときの譲渡所得税と3,000万円控除の扱い
共有持分を売却した場合も、基本的には通常の不動産と同じように「譲渡所得税」の対象になります。
譲渡所得税は
で譲渡所得を算出し、プラスになった部分に対して課される税金です。
取得費は、相続で取得した場合であれば、被相続人(親など)が購入したときの購入代金や購入時の諸費用を引き継ぎ、持分割合で按分する考え方が一般的です。取得費の資料がなく金額を把握できないときは、一定の条件を満たせば「概算取得費(売却価格の5%)」を用いることが認められます。また売却にかかった仲介手数料や契約書の印紙代などは、取得費ではなく譲渡費用として差し引きます。
不動産を売却した際によく話題に上がる「居住用財産の3,000万円特別控除」については、共有のマイホームであっても、要件を満たす共有者ごとに判定されます。
ただし今回のように「自分は別の場所に住んでいて共有持分だけを売る」といったケースでは、要件を満たせず適用が難しいことも多いため、適用可否は個別に確認すると考えておくのが無難です。
3.2 共有持分の「放棄」はおすすめしない
共有持分については、「放棄」という形で自分の持分を手放すことも可能とされています(民法255条)。放棄した持分は、残りの共有者の持分になるという考え方です。
ただし、単に「もういらない」と口頭で伝えるだけでは足りません。実際には、所有権移転登記を行う必要があり、その手続きには他の共有者の協力が必要です。自分一人の判断だけで完結するものではないため、関係がこじれている場合には、手続き自体が進まないことも考えられます。
さらに、財産を無償で渡す行為=贈与とみなされ、取得する側(他の共有者)に贈与税が課される可能性もあります。課税されるかどうかは、具体的な事情や税務署の判断によりますが、「税金面の判断が難しい」ということは押さえておいたほうが安心です。
共有関係から早く離れたい場合でも、登記や税金の負担、判断の難しさを考えると、「放棄」は必ずしも気軽な方法とは言えないのです。
共有持分売却後のトラブルを回避したいなら、専門業者による買取がおすすめ

「法律で認められているとはいえ、いざ売るとなると『後のトラブルが怖い』と感じ、行動をためらってしまうこともあるでしょう。特に相手が身内となれば、慎重になるのは当然のことです。
こうした懸念を最小限に抑え、手続きを円滑に進めるための選択肢として、一般の個人ではなく「専門の買取業者」へ直接売却する方法があります。
なぜプロに任せることが、現在の複雑な状況を整理するための解決策になり得るのか。3つの理由を解説します。
4.1 兄弟と直接やり合わずに共有関係から抜けられる
共有持分を売却した後、家賃の取り扱いや今後の方針について、誰が兄弟と向き合うのかは大きなポイントです。一般の個人に売却した場合、知識や経験が十分でないと、共有者同士の話し合いがこじれやすくなることがあります。
一方、共有持分の買取に慣れた専門業者であれば、共有不動産の権利関係や、居住している家族への対応に関しての経験が豊富です。売却後に必要になるやり取りや調整は、基本的に兄弟と買取業者の間で行われるため、あなたが間に入って交渉を続ける必要はありません。
「これ以上、兄弟と不動産の話を続けたくない」「感情的なやり取りに巻き込まれたくない」という方にとっては、共通のルールや実務を理解しているプロにバトンを渡せる、という点が大きなメリットです。
4.2 買取業者が窓口になるので、売却手続きがスムーズに進む
共有持分を一般のルートで売ろうとすると、
- そもそもどこに相談すればよいか
- 共有名義でも対応してくれるのか
- 必要書類や段取りをどうすればいいか
といった部分を、自分で一から確認していく必要があります。共有持分に慣れていない不動産会社だと、「対応が難しい」「買い手が見つかりにくい」言われて止まってしまうケースもあります。
共有持分の買取を日常的に行っている業者であれば、
- 現在の共有状態や兄弟との関係のヒアリング
- 必要書類の準備や登記の流れの案内
- 査定結果と条件提示
- 契約から入金までのスケジュール
といった一連のステップを、ひとまとまりの流れとして提示してくれます。あなたは、その説明を聞いたうえで「進めるかどうか」を判断すればよく、自分で手続きのルートを探し回る負担はかなり小さくなります。
なお、共有持分の売却では、相続で取得した不動産について手続きを進めるケースも少なくありません。相続登記は長らく任意手続きだったため、過去には登記がされないまま相続が重なり、権利関係が複雑化した事例も多く見られました。こうした背景を踏まえ、2024年4月からは相続登記の申請が原則義務化されています。
「どこから手を付ければいいのか分からない」「役所や法務局の手続きまで全部自分で調べるのはしんどい」と感じている場合ほど、窓口が一本化されている安心感は大きいはずです。
4.3 長引かせずに、短い期間で現金化しやすい
共有持分を一般の個人に売る場合は、買主探しや内覧、価格交渉など、いくつもの段取りを踏まなければなりません。途中で条件が合わなければ、話が白紙に戻ってしまい、そのたびに時間と気力を使うことになってしまいます。
共有持分の買取を行う専門業者であれば、「査定→条件提示→契約→入金」といったシンプルなステップで手続きが進みます。業者が直接買い取るため、買主や内覧対応も不要なので、比較的短期間で持分を手放すことが可能です。
「金額も気になるが、それ以上に、この状態をいつまでも抱え続けるのがつらい」という方にとっては、時間と精神的な負担を減らしながら、早く区切りをつけられる一つの方法と言えます。
共有持分を売却した後の不安は専門家に相談して解消しよう

共有持分を売却したらどうなるか?についてのまとめ
- 共有持分は、他の共有者の同意がなくても売却可能で、契約が無効とされる可能性は低い
- 売却後は、新しい共有者と居住者との間で話し合いが進む形になる
- 共有持分は通常の不動産より価格が下がりやすい傾向がある
- 共有持分の売却益は譲渡所得税の対象だが、3,000万円特別控除は要件を満たすかどうかで個別判断となる
- 共有持分の放棄は税金や登記の負担が伴うため、安易に選ぶ方法ではない
共有持分を売却するとどうなるかという疑問は、法律上の扱いだけでなく、家に住んでいるご家族との関係や、その後の権利関係まで含めて考える必要があります。仕組みが見えてくると、「何となく不安」という状態から、一つずつ状況を整理しながら向き合いやすくなります。
共有名義にまつわる悩みは、誰にも打ち明けづらいものです。ですが、一人で抱え込まず、専門家の説明を聞きながら進めたほうが、自分がこの先どうすべきかがはっきり見えてくるのではないでしょうか。
ラクウルでは、共有持分・ご家族との関係・売却の進め方に関するご相談に特化した窓口を設けております。査定だけのご利用、情報収集だけのご相談も歓迎しております。もちろん、ご相談いただいたからといって売却を急かすことはありません。
誰にも相談できずに長く抱え込んできた、まず何から手をつければいいか分からない、といった個別のご事情がある方も、どうぞお気軽にご相談ください。
この記事のまとめQ&A
共有持分は他の共有者の同意なしで売却できますか?
自身が所有する共有持分であれば、法律上は他の共有者の同意なしで売却することができます。民法により所有者は自分の持分を自由に処分する権利を有しているため、単独で売却手続きを進められます。
共有不動産全体を売却する場合はどうなりますか?
共有不動産全体を売却する場合は、共有者全員の同意が必要です。他の共有者が同意しないと売却手続きを進めることはできません。
同意なしで売却する際の注意点はありますか?
法律的には同意なしで売却できますが、共有者にまったく知らせないと後で関係が悪化したり、トラブルが生じる可能性があります。そのため、可能な限り事前に共有者へ事情を伝えることが望ましいです。
共有者の同意を得られない場合の売却方法はありますか?
他の共有者が同意しない場合でも、自分の共有持分だけを売却することは可能です。また、共有物分割請求などの別の法的手続きを検討することも選択肢の一つです。
売却後の共有関係はどうなりますか?
共有持分を売却すると、買主が新たな共有者として加わります。そのため、売却後は面識のない第三者と共有関係になる可能性があり、残った共有者間での調整や関係性にも注意が必要です。



