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離婚後、元夫と一緒に組んだペアローンや連帯債務の支払いが滞り始め、今後の生活に不安を抱えている方は少なくありません。
銀行に名義変更を相談しても「現在の収入では難しい」と断られ、元夫とは連絡も取れず話し合いができない。そんな八方塞がりの状況に、どうすればよいのか悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、「どうにもならないから」と共有名義やローンをそのまま放置するのは非常に危険です。なぜなら、元夫の滞納が原因でご自身の財産まで差し押さえられるなど、生活を脅かす事態に発展しかねないためです。
本記事では、離婚後に連帯債務やペアローンを放置することで生じるリスクから、銀行が名義変更を認めない理由、そしてご自身一人で解決するための方法を詳しく解説します。
この記事でわかること
- 離婚後もペアローン・連帯債務を放置することで生じる4つのリスク
- 住み続けたい場合に単独名義へ切り替える3つの方法とその限界
- 家を売却する場合に元夫の同意が必要になる理由
- 銀行に断られ・相手の協力も得られない場合に取れる最終手段
- 相手の同意なしに自分の共有持分だけを売却できる方法
目次
離婚後もペアローン・連帯債務を放置して生じる4つのリスク

「自分の分は毎月払っているから大丈夫」「夫が払わなければ、夫の持分がどうにかなるだけ」そう考えている方は、少し注意が必要です。
ペアローンや連帯債務をそのままにしている限り、ご自身も重い責任を負う債務者(または連帯保証人)であり続けます。相手とローン契約でつながっている以上、元夫の行動や状況次第で、ご自身の生活や財産にも法的な影響が及ぶ可能性があるのです。
具体的にどのようなリスクが生じるのか、4つのポイントを見ていきましょう。
1-1. 離婚や退去が銀行にバレることによる「一括返済請求」
ペアローンや連帯債務の契約を残したまま元夫が退去すると、金融機関から残債の一括返済を求められるリスクがあります。
なぜなら、住宅ローンは原則として「債務者本人が物件に居住すること」を融資の条件としているからです。元夫やあなた自身が家を出て別の場所で暮らしている事実が金融機関に知られれば、居住要件を満たしていないとして契約違反とみなされかねません。
月々の返済を続けていたとしても、契約違反と判断された時点で残債の一括返済を求められる可能性がある点には注意が必要です。
1-2. 元夫の滞納による「連帯責任」としての支払い請求
仮に一括返済には至らなかったとしても、別のリスクが残ります。ペアローンや連帯債務の契約を残していると、元夫が滞納した際にあなたへ直接請求が及ぶ可能性があるのです。夫婦双方が同等の返済義務や連帯保証の責任を負っているからです。
元夫が払えなくなった場合、「自分の分は毎月支払っている」という事情は、銀行との関係では考慮されにくいのが実情です。相手の滞納であっても、ご自身が債務者である以上、不足分を全額肩代わりして支払う法的な義務が生じます。
1-3. 滞納放置による自身の「信用情報の悪化」
元夫の滞納を放置すると、あなた自身の信用情報にも傷がつきます。滞納から2〜3ヶ月が経過した時点で、連帯責任を負うあなたの信用情報機関にも事故情報が登録されるからです。
これがいわゆる「ブラックリスト入り」です。一度登録されると、クレジットカードの利用停止はもちろん、新たなローンや賃貸アパートの審査にも通りにくくなるなど、離婚後の生活再建に直接影響を及ぼしかねません。
1-4. 給与や預貯金まで対象となる財産の差押さえ
滞納が続くと、やがて金融機関側が法的な回収手続きへと動き始めます。家が競売にかけられ退去を余儀なくされることに加え、競売価格がローン残高を下回った場合には、売却後も残債の返済義務が残ることになります。
住宅ローンの担保はあくまで自宅だけですが、残債が残る場合には、給与や預貯金など自宅以外の個人財産までが差し押さえの対象となる点は、見落とされがちなリスクのひとつです。
解決策は大きく「住み続ける」か「手放す」かの2択

離婚後のペアローン・連帯債務・共有名義の問題を解消するには、まず「今の家に住み続けるか、手放すか」を決めることが出発点になります。この方向性によって取るべき手段が大きく異なるため、具体的な手続きに入る前に自分の状況と希望を整理しておくことが重要です。
住み続ける場合は、元夫との共有名義やローン契約を解消し、ご自身の単独名義に切り替える必要があります。銀行への名義変更の依頼や、別の金融機関への借り換え、元夫の持分の買い取りといった方法が考えられますが、いずれも審査や資金面での条件をクリアする必要があります。
手放す場合は、家を売却してローンを清算する方向で手続きを進めます。ローンの残債と売却価格のバランスによって通常売却か任意売却かに分かれますが、どちらも元夫の同意が必要になります。
どの方法が取れるかは、ローンの残債や物件の状況、元夫との関係性によって異なります。以降の章では、それぞれの方法と条件を詳しく見ていきます。
離婚後に単独名義へ切り替える3つの方法と難しい理由

離婚後も今の家に住み続けるためには、元夫との共有名義やローン契約を解消し、単独名義に切り替える必要があります。主な方法としては以下の3つが挙げられます。
- 銀行に依頼してローンの名義を変更する
- 別の金融機関で自分単独のローンに借り換える
- 元夫の持分を現金で買い取る
ただし、いずれも審査や資金面で高いハードルがあり、簡単には進まないのが実情です。それぞれの仕組みを見ていきましょう。
3-1. 【名義変更】銀行は原則として債務の単独化を認めない
今の住宅ローン契約を維持したまま元夫の債務を外し、ご自身の単独名義にする「免責的債務引受」という方法があります。ただし、これを銀行が認めるケースはほとんどありません。
住宅ローンの融資額はそもそも夫婦2人の合算収入を前提に決定されており、離婚を理由に一方の債務を免除することは、銀行にとって貸し倒れリスクを高める行為に映るためです。
ご自身の収入が大幅に増加しているといった特別な事情がない限り、審査を通過するのは難しいのが実情です。
3-2. 【借り換え】単独収入では審査が通らないケースが多い
名義変更が難しい場合、別の金融機関でご自身単独の住宅ローンを新たに組み、現在のローンを完済する「借り換え」という方法もあります。ただし、新規でローンを組む以上、ご自身の年収だけで審査をクリアしなければなりません。
そもそもペアローンや連帯債務を選んだのは、1人の収入では借入額に届かなかったからというケースが大半です。パートや時短勤務などで現在の収入が不足している場合、審査基準を満たせず借り換えを断られてしまうことも少なくありません。
3-3. 【持分買取】元夫の持ち分を買い取るにはまとまった資金が必要
元夫が所有する共有持分をご自身が現金で買い取り、単独名義にする方法です。契約上の手続きとしては比較的シンプルですが、元夫の持分に相当する金額を自己資金で用意しなければならない点が、この方法の最大の課題です。
持分の評価額は物件の時価をもとに算出されるため、数百万円単位になるケースも珍しくありません。離婚後の新生活にかかる費用や、万一のための生活資金も確保すべき点を考えると、実際に検討できる方は多くないでしょう。
離婚後に家を売却する2つの方法と難しい理由

離婚後、ペアローンや連帯債務の負担から解放されるために家を売却するという選択肢もあります。ただし、売却の方法はローンの残債と売却価格のバランスによって異なります。
- 「アンダーローン」の場合は通常売却
- 「オーバーローン」の場合は任意売却
いずれの場合も、手続きを進めるには元夫の同意が欠かせないという点は共通しています。
4-1. 【アンダーローン】通常の売却でも元夫の同意が必須
家の売却価格がローンの残債を上回るアンダーローンの場合、売却代金でローンを完済し、残ったお金を財産分与として分けることができます。ただし、ペアローンで購入した家は夫婦の共有名義であるため、法律上、売却には共有者全員の同意が必要です。
つまり、売却の意思があるのがご自身だけでは不十分で、元夫の実印や署名なしには手続きを進めることができません。元夫が「売りたくない」と言えばそれだけで話は止まりますし、連絡が取れない状態が続けば、売りに出すことすらできないまま時間だけが過ぎていきます。
4-2. 【オーバーローン】任意売却には金融機関と元夫の合意が必須
家の売却価格がローンの残債を下回るオーバーローンの場合は、金融機関の合意を得て売却する「任意売却」という方法があります。
通常、売却代金でローンを完済できなければ銀行は抵当権を外してくれないため、そのままでは売却自体が成立しません。任意売却を利用することで、競売を回避して市場価格に近い金額で売却でき、残債を分割返済していく道筋も立てやすくなります。
ただし、不動産全体を売却することに変わりはないため、元夫の同意が必要である点はアンダーローンと同様です。金融機関との交渉が整っても、元夫が協力しなければ手続きは前に進みません。
アンダーローンであれ、オーバーローンであれ、離婚後に元夫と連絡が取りにくくなっているケースでは、売却の合意を得ること自体が最初の課題となるのです。
相手の協力が得られない・銀行に断られた場合の最終手段

元夫との話し合いができず、銀行での借り換えや名義変更も断られてしまった場合でも、解決を諦める必要はありません。相手の協力が得られない状況でも取れる手段として、「共有物分割請求」と「共有持分の売却」の2つの方法があります。
5-1. 裁判を起こして強制的に分割する「共有物分割請求訴訟」
裁判所に訴えを起こし、強制的に不動産の共有状態を解消する手続きが「共有物分割請求訴訟」です。相手が協議を拒否していても、最終的には裁判所が分割方法を決定するため、一方的に話し合いを止められることはありません。
ただし、解決までに相応の時間と費用がかかります。裁判が終わるまでに通常半年から1年以上を要し、弁護士費用や裁判費用で数十万円から百万円以上の負担が生じることも少なくありません。
また、必ずしも希望する方法で決着するとは限らず、裁判所が競売を命じた場合には市場価格の5〜7割程度の安値での売却となり、住宅ローンの残債だけが大きく残るリスクも伴う点は押さえておく必要があります。
5-2. 相手の同意なしで自分だけで抜け出せる「共有持分の売却」
裁判によらず、時間や費用をかけずに進められる選択肢として、ご自身の共有持分のみを専門業者に売却する方法があります。法律上、自分の持分だけであれば相手の同意を得ずに単独で処分できるため、ご自身一人の判断で手続きを進めることができます。
また、前章では「オーバーローンだと家が売れない」と解説しましたが、それはあくまで不動産全体を一般市場で売る場合の話です。共有持分を専門に扱う買取業者は、住宅ローンが残っている状態やオーバーローンの状態でも、金融機関との交渉や権利調整のノウハウを持っているため、買い取ってもらえるケースが多くあります。
ただし、ここで押さえておきたいのは、不動産の「所有権(持分)」と金融機関との「ローン契約」は別物だということです。持分を売却しただけでは、ローンの返済義務がすぐになくなるわけではありません。しかし、専門業者に持分を買い取ってもらうことで、その後の元夫や金融機関との交渉はプロに委ねられ、自分一人では動かせなかった状況が解決へと向かっていきます。
まとめ:離婚後の住宅ローンに困ったら【ラクウル】にご相談を

離婚後の住宅ローンについてのまとめ
- ペアローン・連帯債務の放置は、相手の滞納や居住要件違反によって自分の財産まで差し押さえられるリスクがある
- 単独名義への切り替えは、名義変更・借り換え・持分買取の3つの方法があるが、いずれも審査や資金面で容易には進まない
- 家全体の売却はアンダーローン・オーバーローンで方法が異なるが、どちらも元夫の同意が必要
- 相手の協力が得られない場合でも、共有物分割請求や共有持分の売却という手段が存在する
- 自分の共有持分だけであれば相手の同意なしに売却でき、専門業者に委ねることで解決への糸口が開ける
ペアローンや連帯債務、共有名義を残したまま離婚し、リスクを負い続けることは避けるべきです。放置していると、相手の滞納によってご自身の財産まで差し押さえられる事態に発展しかねないからです。
名義変更や借り換え、夫婦合意のうえでの売却が理想ではあります。しかし、相手と話し合いができない、銀行の審査が通らないといった状況では、専門業者への持分売却という選択肢もあります。どの方法が取れるかは、ローンの残債や物件の状況、元夫との関係性によって異なります。
「自分のケースではどうすればいいか」と迷ったときは、ぜひ共有持分専門の【ラクウル】にご相談ください。一人で抱え込まず、まずは現状を整理するところから始めましょう。
この記事のまとめQ&A
離婚後にペアローンや連帯債務を放置するとどうなりますか?
離婚後もペアローンや連帯債務を放置すると、元配偶者が住宅ローンを滞納した場合でも、もう一方の債務者に返済義務が及びます。最悪の場合、元配偶者の滞納が原因で自分の財産が差し押さえられるなど、生活に大きな影響が出る可能性があります。
離婚後に住宅ローンの名義変更を銀行に断られるのはなぜですか?
住宅ローンの名義変更は銀行にとって大きなリスクとなるため、審査が非常に厳しくなります。特に、現在の収入だけでローンを返済できるかどうかが重視されるため、単独名義への変更を希望しても収入条件を満たさない場合は銀行に断られるケースが多くなります。
離婚後の家を売却するには元配偶者の同意が必要ですか?
共有名義の不動産の場合、不動産全体を売却するには共有者全員の同意が必要になります。そのため、元配偶者と連絡が取れない場合や売却に同意してもらえない場合は、通常の売却手続きを進めることが難しくなります。
元配偶者と連絡が取れない場合、住宅ローン問題はどう解決できますか?
銀行に名義変更を断られ、元配偶者とも話し合いができない場合でも解決方法はあります。例えば、自分の共有持分だけを売却して共有関係から離れる方法などがあります。この方法であれば、不動産全体の売却とは異なり、原則として他の共有者の同意を得る必要はありません。
離婚後の住宅ローン問題を放置するのはなぜ危険なのですか?
離婚後の住宅ローンや共有名義を放置すると、元配偶者の滞納による信用情報への影響や、差し押さえなどの法的リスクが生じる可能性があります。また、共有名義のままでは売却や処分にも相手の同意が必要になるため、将来の選択肢が狭まるおそれがあります。



